-ECERS 〇幼児教育情報

ECERSに関するよくある質問(FAQ)

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この記事では、保育環境評価スケール(ECERS)について、皆さんからよく寄せられる疑問にお答えします。

保育環境評価スケール(ECERS)が示す「質の高い保育」とは?子どもの可能性を広げる保育園選びと合わせて読むことで、ECERSへの理解がさらに深まり、保育園選びやご家庭での環境づくりに役立つヒントが得られるはずです。

Q: ECERSの評価結果って、どこで確認できるの?

残念ながら、現時点では、すべての保育園のECERS評価結果が簡単に手に入るわけではありません。

国の動き:

日本国内では、まだECERSの導入は始まったばかりで、国としての統一的な公開システムはありません。

自治体の取り組み:

一部の自治体では、ECERSを導入し、保育の質の向上に役立てようという動きがあります。これらの自治体では、評価結果をウェブサイトなどで公開している場合があります。

お住まいの自治体の保育課などに問い合わせてみるのが確実です。

保育園の自主的な取り組み:

質の高い保育を目指している保育園の中には、自主的にECERS評価を受け、その結果を積極的に公開しているところもあります。

これらの情報は、各保育園のウェブサイトで確認できることが多いです。

今後の展望:

ECERSは、保育の質を「見える化」する上で非常に有効なツールです。

今後、日本でも導入が進み、より多くの情報が公開されることが期待されます。

Q: もし、自分の検討している保育園がECERS評価を受けていなかったら?

ECERSの評価結果が公開されていない、あるいは評価自体を受けていない保育園は少なくありません。

しかし、だからといってその園の質が低いというわけでは決してありませんし、私たちが「質の高い保育園」を見つけるのを諦める必要もありません。

ECERSはあくまで「質の高い保育環境」の基準を示してくれるツールです。

その基準を知っていれば、たとえ評価結果がなくても、私たち自身の目で園の「質」を判断するヒントになります。

保育環境評価スケール(ECERS)が示す「質の高い保育」とは?子どもの可能性を広げる保育園選びでも詳しく解説しましたが、見学の際には以下のECERSの視点を取り入れてみてください。

子どもたちが主体的に遊べるスペースや道具が十分にあるか?

絵本や図鑑、文字に親しむ環境は整っているか?

保育者は子ども一人ひとりの気持ちに寄り添い、温かく関わっているか?

一日のスケジュールに無理がなく、子どもたちがのびのびと過ごせるか?

これらのポイントに注目することで、ECERS評価の有無に関わらず、お子さんにとってより良い環境かどうかを見極めることができるはずです。

Q: ECERSの点数が低い園は、絶対に避けるべきなの?

ECERSの点数は、保育環境の質を客観的に測る非常に有効な指標であることは間違いありません。

しかし、点数が低いからといって、その園を「絶対避けるべき」と断言するのは早計です。

点数が低いという結果には、いくつかの背景が考えられます。

評価を受けた時期:

評価を受けたのが比較的以前で、その後改善努力をしている場合があります。

改善の取り組み:

評価結果を真摯に受け止め、現在、質の向上に向けて積極的に取り組んでいる途中かもしれません。

特定の項目に課題:

全体的に低いのではなく、特定の項目に課題があるだけで、お子さんのニーズと合致する部分では高い質を保っている可能性もあります。

評価者の視点と園の理念:

ECERSの視点と園の教育方針に、一時的なズレがあった可能性もゼロではありません。

大切なのは、点数という数字だけでなく、

「なぜその点数なのか」

「園がその点数についてどう考え、どう改善しようとしているのか」

という点です。

見学の際に、率直に質問してみるのも良いでしょう。

もちろん、高い点数であることに越したことはありませんが、最終的にはご家庭の教育方針やお子さんの性格との相性、そして実際に園を訪れて感じる雰囲気なども含め、総合的に判断することが最も重要です。

ECERSの点数を見る上でのより詳しい留意点については、こちらの記事ECERS評価の限界と、賢く活用するための注意点でさらに深く解説しています。

Q: ECERSと日本の保育の基準(保育所保育指針など)って、どう違うの?

ECERSと日本の保育所保育指針は、どちらも質の高い保育を目指すものですが、それぞれ異なる目的とアプローチを持っています。

ECERS(保育環境評価スケール)

目的:

保育環境の「質」を客観的に評価し、そのレベルを測定することに特化しています。

国際的に通用する基準で、「見える化」と「改善のための指標」としての役割が大きいです。

内容:

空間や家具、活動、相互関係、養護など、子どもが過ごす環境の具体的な要素を詳細な指標で評価します。

保育所保育指針

目的:

日本の保育所が守るべき「保育の目標」や「内容」を定めたものです。

保育のねらいや、具体的な活動内容、子どもへの関わり方など、保育士が実践すべき保育の方向性を示す役割が大きいです。

内容:

健康、人間関係、環境、言葉、表現の5領域を柱に、保育の全体的な指針を示しています。

共通点:

両者には、子どもたちの主体性を尊重し、遊びを通して学びを深めること、そして温かく安全な環境を提供することといった、質の高い保育に共通する考え方が多く含まれています。

ECERSの項目は、指針が目指す保育を実現するための具体的な環境づくりに役立つ視点を与えてくれます。

まとめ:

ECERSは「今、どのような環境が提供されているか」を客観的に評価するツール、保育所保育指針は「どのような保育を目指すべきか」という国の理念と方向性を示すガイドライン、と考えると分かりやすいでしょう。

どちらも、お子さんにとってより良い保育環境を考える上で、非常に大切な情報源です。

併せて読みたい

「質の見極め方」を深めたい方は、こちらの記事【 ECERSと保育所保育指針の違いとは?保育の質を見極める新しい視点 】で詳しく解説。ぜひ参考にしてみてください。

Q: ECERSは何歳の子どもが対象ですか?

ECERSは、主に3歳から5歳の子どもたちが集団で過ごす保育環境の質を評価するために開発されたツールです。

この年齢層の子どもたちの発達段階や活動内容に特化した項目が設定されています。

なぜ3歳以上が対象なの?

ECERSの評価項目は、子どもたちが言葉を使ってコミュニケーションをとり始め、友達との遊びが活発になり、より多様な活動を展開するようになる時期の環境に焦点を当てています。

例えば、絵本や文字に触れる環境、様々な種類の遊び道具、集団での活動などが評価対象となるため、これらの活動が活発になる3歳児以降が主な対象となっています。

乳幼児向けの評価ツールは?

0歳から2歳といった乳幼児向けの保育環境を評価するツールとしては、ITERS(Infant/Toddler Environment Rating Scale)など、別の評価スケールが存在します。

それぞれの年齢段階に特化したツールを使用することで、より正確な評価が可能になります。

Q: ECERSの評価はどのくらいの頻度で行われるの?

ECERSの評価は、保育の質を継続的に向上させることを目的としているため、定期的な実施が理想的とされています。

しかし、その頻度については、国や自治体、あるいは各保育園の取り組みによって異なります。

現状:

日本ではまだ導入が始まったばかりということもあり、具体的な評価頻度が法的に定められているわけではありません。

そのため、自主的にECERS評価を受けている園では、数年に一度のペースで実施したり、特定の改善目標を設定した上で、その進捗を確認するために評価を行うケースもあります。

国際的な実践例:

海外のECERSが広く導入されている国々では、例えば3~5年ごとに評価を実施し、その結果を次の改善計画に繋げていくといった運用が行われている例もあります。

大切なこと:

評価自体が目的ではなく、評価を通じて得られた結果を基に、園が継続的に保育の質の向上に努めているかが最も重要です。

評価頻度だけでなく、園がその評価結果をどのように活用しているかにも注目してみると良いでしょう。

Q: ECERS以外にも保育の質を測るツールはあるの?

はい、ECERS以外にも、保育の質を評価するための様々なツールが存在します。

それぞれ異なる対象年齢や評価の視点を持っており、目的に応じて使い分けられています。

代表的な評価ツールをいくつかご紹介します。

ITERS(Infant/Toddler Environment Rating Scale):

対象:

0歳から2歳までの乳幼児の保育環境を評価するためのスケールです。ECERSと同じく、Harms、Clifford、Cryerらによって開発されました。

特徴:

乳幼児期の発達特性に合わせた項目(例:身体的ケア、言語促進、微細運動など)で構成されています。

FDCRS(Family Day Care Rating Scale):

対象:

家庭的保育(少人数で家庭的な雰囲気の中で行われる保育)の質を評価するためのスケールです。

特徴:

家庭保育の特有の環境や関係性に焦点を当てています。

SACERS(School-Age Care Environment Rating Scale):

対象:

学童期の集団ケア(放課後児童クラブなど)の質を評価するためのスケールです。

特徴:

学童期の子どもたちの活動や発達のニーズに合わせた項目が特徴です。

これらの評価ツールは、ECERSと同様に、保育の質の「見える化」と「継続的な改善」を支援することを目的としています。

保育の種類や対象年齢に応じて、最適なツールが用いられています。

【まとめ】

このFAQページでは、ECERSに関する皆さんの様々な疑問にお答えしてきました。

ECERSは、保育環境の質を客観的に捉え、お子さんにとって最高の環境を見極めるための強力な手助けとなるツールです。

「評価結果はどこで見るの?」

「うちの子の園は評価を受けてないけど?」

「点数が低いってことはダメな園?」

といった、具体的な疑問が解消され、ECERSへの理解が深まったなら幸いです。

ECERSは、点数という数字だけではなく、その背景にある保育の考え方や、園がどのように子どもの成長を支援しようとしているかを知るための手がかりです。

ぜひ、この知識を活かして、ご家庭でできる環境づくりにも目を向けつつ、お子さんが毎日笑顔で過ごせる場所を見つけてあげてください。

このブログでは、ECERSに関するさらに詳しい情報や、子育て全般に関する役立つヒントを発信しています。

これからも、お子さんの健やかな成長を一緒に見守る「普通の親」として、皆さんの子育てをサポートできれば幸いです。

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