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ECERSが語る『言葉と文字』の環境づくり|豊かな言語力を育む保育園と家庭のヒント

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「うちの子、言葉が遅いかも?」

「どうしたらもっとたくさん話してくれるようになるんだろう?」

子どもの言葉の発達は、多くの親御さんにとって大きな関心事ですよね。

言葉は、自分の気持ちを伝え、他者と繋がり、そして世界を理解するための大切なツールです。

国際的な保育の質を測る評価スケールであるECERS(幼児保育環境評価スケール)では、「言葉と文字」が子どもの発達を促す上で極めて重要な項目として位置づけられています

ECERSが重視するのは、単に言葉を「教え込む」ことではありません。

子どもたちが自然に言葉に触れ、自分の言葉で表現する喜びを感じられるような、豊かな環境が整っているかどうかです。

この記事では、ECERSの視点から見た「質の高い言葉と文字の環境」とは何かを掘り下げ、それが子どもの言語力、思考力、そして将来の学びにどう繋がるのかを解説します。

さらに、保育園選びの具体的なチェックポイントや、ご家庭で今日から実践できるヒントまで、たっぷりご紹介します。

わが子の「話したい」「知りたい」という気持ちを育み、言葉の可能性を最大限に広げるために、一緒にできることを見つけていきましょう。

併せて読みたい

ECERSの全体像を知りたい方は、こちらの記事保育環境評価スケール(ECERS)が示す「質の高い保育」とは?子どもの可能性を広げる保育園選びで詳しく解説。ぜひ参考にしてみてください。

ECERSが重視する「言葉と文字」の質とは?

ECERSの「言葉と文字」のサブスケールは、子どもたちが言葉を「使う」喜びを感じ、文字に自然な興味を持てるような環境が整っているかを評価します。

具体的には、以下の点が重視されます。

保育者(親)の豊かな言葉かけ:

👉子ども一人ひとりに丁寧な言葉で語りかけ、子どもの話に耳を傾けていますか?

👉子どもの質問に具体的に答え、子どもの言葉を引き出すような働きかけがありますか?

👉感情や物の名前など、幅広い語彙を使って話していますか?

絵本や文字に触れる機会の豊富さ:

👉様々なジャンルの絵本や図鑑が豊富にあり、子どもが自由に手に取れる環境ですか?

👉絵本を読むための快適なスペースがありますか?

👉文字が書かれた掲示物や、文字に興味を持つきっかけとなる遊び道具(文字ブロック、マグネットなど)がありますか?

コミュニケーションを促す環境:

👉子ども同士の会話や意見交換を促すような活動や場が設定されていますか?

👉保育者(親)が子どもの言葉での表現を促し、共感的に受け止めていますか?

文字への自然な興味の育み:

👉無理に文字を教え込むのではなく、遊びや日常の中で、子どもが自然に文字の役割や音に気づけるような工夫がありますか?

👉自分の名前や友達の名前、身近な文字に触れる機会がありますか?

これらの要素が整っている環境は、子どもが言葉の奥深さや楽しさを知り、コミュニケーションへの意欲を高めるための大切な土台となります。

「質の高い言葉と文字の環境」が子どもの成長に与える良い影響

ECERSで評価される「言葉と文字」の質が高い環境は、子どもたちの言語発達だけでなく、認知能力や社会性にもポジティブな影響をもたらします。

豊かな語彙力と表現力の獲得

言葉のシャワーで語彙を増やす:

保育者(親)が豊かな言葉で語りかけ、絵本や読み聞かせが日常的に行われる環境では、子どもは自然と多様な言葉に触れ、語彙が飛躍的に増えます。

自分の気持ちや考えを伝える力:

子どもの言葉を丁寧に受け止め、共感的に耳を傾けてもらえることで、子どもは「話していいんだ」という安心感を持ち、自分の気持ちや考えを言葉で表現しようと積極的に試みるようになります。

これは、コミュニケーション能力の基盤となります。

思考力と理解力の深化

「なぜ?」を深める対話:

子どもの「なぜ?」「どうして?」という疑問に対し、保育者(親)が丁寧に答え、一緒に考える対話を通じて、子どもは物事を論理的に捉える力や、深く考える思考力を育みます。

物語の理解と想像力:

絵本の読み聞かせや語り聞かせは、物語の構成を理解する力や、登場人物の気持ちを想像する力を養います。

これにより、将来の読解力や共感性の基礎が培われます。

社会性と情緒の安定

コミュニケーション能力の向上:

自分の言葉で表現する力や、相手の言葉を理解する力が育つことで、子ども同士の円滑なコミュニケーションが可能になります。

これにより、友達との関係が深まり、社会性を育む機会が増えます。

感情の調整と表現:

自分の感情を言葉で表現できることは、心の安定にも繋がります。

「悲しい」「嬉しい」「怒っている」といった感情を言葉で伝えることで、癇癪が減ったり、友達とのトラブルを言葉で解決しようとしたりする力が育ちます。

就学準備と生涯にわたる学習意欲

文字への興味の芽生え:

読み書きを強制されるのではなく、日常の中で文字に自然に触れる機会が多い環境は、子どもが文字の面白さや役割に気づき、自ら「読みたい」「書きたい」という内発的な学習意欲を育みます。

学びの土台を築く:

豊かな言語力と思考力は、小学校以降のあらゆる学習の土台となります。

質の高い「言葉と文字」の環境で育った子どもは、新しい知識を吸収し、それを自分の言葉で表現する力が高まり、生涯にわたる学びの楽しさへと繋がっていきます。

併せて読みたい

絵本の読み聞かせ実践ガイドは、こちらの記事【『絵本の読み聞かせ』の効果がすごい!知的好奇心・語彙力を伸ばすコツとは? 】で詳しく解説。ぜひ参考にしてみてください。

保育園選びのチェックポイント!:ECERSの視点で「言葉と文字」を見る

見学の際、ECERSの「言葉と文字」の視点から、ぜひ以下のポイントをチェックしてみてください。

絵本・本の充実度とアクセス:

👉絵本コーナーは充実していますか? 様々なジャンルの絵本や図鑑が豊富にありますか?

👉絵本は、子どもが自由に手に取れる高さに並んでいますか?

👉絵本が破れていたり、雑に扱われていたりしませんか?

保育者の言葉かけの質:

👉保育者は子ども一人ひとりに丁寧な言葉で語りかけ、子どもの目線に合わせたり、しゃがんで話したりしていますか?

👉子どもの話にじっくり耳を傾け、相槌を打ちながら共感的に聞いていますか?

👉一方的に指示するだけでなく、「どうしたい?」「どう思う?」と、子どもの言葉を引き出すような問いかけが多いですか?

👉保育者同士の会話も、子どもが聞いても分かりやすい、丁寧な言葉遣いですか?

言葉や文字への興味を促す工夫:

👉ひらがなのマグネットブロックや、絵と文字が対応したカードなど、遊びの中で文字に触れる道具がありますか?

👉子どもが描いた絵に、保育者が子どもの話を聞いて文字を添えているなど、文字を身近に感じる工夫が見られますか?

👉保育者が、子どもたちが話した言葉や活動を、ホワイトボードや掲示物で文字にして示していることがありますか?

コミュニケーションを促す活動:

👉絵本の読み聞かせの後に、子どもたちに感想を聞いたり、内容について話し合ったりする時間がありますか?

👉発表の場や、子ども同士で話し合いをする機会が設けられていますか?

家庭でもできる!子どもの言語力を育む「言葉と文字」のヒント

保育園での取り組みだけでなく、ご家庭でのちょっとした工夫が、お子さんの言語発達を大きく後押しします。

完璧を目指さなくても大丈夫。

日々の生活の中で、意識して取り入れてみましょう。

毎日「絵本の読み聞かせ」を習慣に:

・寝る前や、朝の少しの時間でも構いません。

👉毎日絵本を読み聞かせることで、多様な言葉に触れ、物語の世界に親しむことができます。

おすすめの【人気絵本】シリーズ
👉だるまさん」:泣く子も笑う、おもしろさ! ページをめくるたびわらいの渦に引きこまれる、とびきりゆかいな絵本
👉いろいろかくれんぼ (これなあに?かたぬきえほん) 」:穴のあいたページをめくると、隠れていたどうぶつが次々とあらわれるしかけ絵本
👉おばけ」:ちょっとかわった、かわいくて、愉快なおばけの絵本
👉パンどろぼう」:おいしいパンを さがしもとめるパンどろぼう。その正体とは!?楽しいユーモア絵本
👉ぐりとぐら」:世界各国で愛され続けるふたごの野ネズミ「ぐり」と「ぐら」のお話の絵本

おすすめ【図鑑】シリーズ
👉DVD付 新版 動物 (小学館の図鑑 NEO)」:大きな写真とわかりやすいイラストを中心に解説。3歳から小学校高学年まで、長く使える
👉きかいのしくみ図鑑」:ページの一部をめくることでいろいろな機械の中をのぞける、しかけイラスト図鑑
👉なんでも!いっぱい! こども大図鑑 【改訂版】」:世界23カ国以上で84万部以上売れたベストセラー!見開き1テーマの演出
👉はじめてずかん これ、な~に?650」:ものの名前を覚えるための図鑑。ジャンルごとに、写真と単語を英語付きで掲載
👉これだけは知っておきたい こども図鑑」:全世界で135万部発行のベストセラー百科事典。好奇心を刺激する工夫がたくさん!

「言葉のキャッチボール」を意識する:

・一方的に話すのではなく、子どもの言葉に耳を傾け、返事をし、質問をすることで、会話のキャッチボールを楽しみましょう。

・「〇〇したいのね」「〜〜だったんだね」と、子どもの言葉をオウム返ししたり、言い換えたりするのも、語彙力や表現力を伸ばすのに効果的です。

👉子どもの「なぜ?」「どうして?」には、分かりやすい言葉で丁寧に答えてあげましょう。

「実況中継」で語彙を増やす:

・お散歩中や家事中など、日々の生活の中で「今、ママはリンゴを切っているよ。赤くていい匂いがするね」「あの車、大きいね、なんていう車だろう?」など、見ているものやしていることを言葉にして伝えましょう。

おすすめ【言葉の発達を促す声かけ】シリーズ
👉アンパンマンはじめてのことばえほん〈わくわく〉」:身近な「ことば」をイラストとともに覚えよう!
👉0・1・2さいの ことばずかん500 英語つき」:500の言葉を大きな写真のカラフルな誌面で好奇心を刺激し、発語を促します!
👉頭のいい子を育てるプチ あかちゃんごおしゃべりえほん」:NTT研究所の「発話データ」ランキングから作った本

「文字は遊び」から興味を引き出す:

・無理にひらがな練習をさせるのではなく、ひらがなマグネットや文字パズルなど、遊びを通して文字に触れる機会を提供しましょう。

おすすめ楽しく学べる【ひらがなマグネットボード】
👉アンパンマン ひらがなマグネット」:マグネットで遊びながら、ひらがなやカタカナが学べる!収納・片付けも簡単で持ち運びも便利
👉学研の遊びながらよくわかる あいうえおタブレット」:文字と言葉をひらがなとカタカナで、音声で読みから液晶パネルで書き順を学べる。

・お菓子のパッケージの文字や、お店の看板など、身近な文字に「これはなんて書いてあるかな?」と興味を引き出す声かけも効果的です。

・子どもが描いた絵に、日付や子どもの名前を書いてあげるのも、文字を身近に感じるきっかけになります。

子どもの「話したい」気持ちを大切にする:

・子どもが何かを伝えようとしている時は、家事を中断してでも、顔を見て、最後までじっくり聞いてあげましょう。

👉完璧な言葉でなくても、その気持ちを汲み取って「〜したかったのね」と受け止めてあげることで、子どもは安心して言葉を使うようになります。

まとめ

ECERSが教えてくれる「言葉と文字」の質の重要性は、子どもの未来を拓くための大きな鍵です。

豊かな言語力は、コミュニケーションの土台となり、思考力を高め、そして生涯にわたる学習意欲を育む源となります。

保育園選びの際には、絵本の充実度や保育者の言葉かけの質に注目し、ご家庭でも日常的な読み聞かせや対話を大切にすることで、お子さんの「話したい」「知りたい」という気持ちを最大限に引き出してあげましょう。

言葉の「芽」を大切に育て、わが子の可能性を広げる豊かな環境を、私たち親が愛情を込めて育んでいけたら幸いです。

--ECERS, 〇幼児教育情報